灯油が値上がりしていました。日中の気温は昨日より上がるという天気予報でしたが、一日曇り空だったので午後7時をすぎると真っ暗になって寒くなってきました。昨日は三日月がずっと出ていたのに今夜は随分と遅く、雲を纏って見えていたかと思えば雲が晴れて見せた姿は赤い三日月。明日になったら熊本でも何か起こっているじゃないかと言った不安感を後押しするようです。
ジブリのアニメ「耳をすませば」は試写会を母と観に行った最後のアニメーション。となりのトトロを娘が喜んでみてたので同じ人が作った新しいアニメーションであることと、タイトルに「何に耳をすますのかなぁ」と関心を持ってしっかり最後まで見ていたけれども、最後の朝のシーンで母は「お墓のようだ」と感想を言ったのは、凄くショックだった。繰り返し考えている内に母が言いたかったのは、母の思い出を重ねているからかなと思うようになりました。
景色は次々と変わっていく。東北地方太平洋沖地震が治まったら、気仙沼の風景は随分と変わるのでしょうね。また津波で冠水した街は、街ができる前が元々水面より低い土地だったのではないか、と言う説明がテレビでされていました。東京の多くが江戸時代に徳川家康が治水して作った街と、NHKの「ブラタモリ」での放送でも観ました。
わたしが中学生の時にその時いつも一緒にいたクラスメートの男子が運転する自転車の後ろに乗せて貰って、アニメーションと同じようなシチュエーションがあったけれども二人で眺めた熊本市内も色々と変わっています。時々夢の中で出てくるのは当時の景色なのは、記憶の中ではいつまでもそのままだからかも知れません。
昔のちゃんとしたお父さんなら、威厳がある重厚な役者が欲しいんです。糸井重里さんは威厳がないですよね。それが欲しかったんです。お父さんであって、お父さんでないという。役者さんでそんなことができる人はいますか? そうやって考えるんですよ。
『耳をすませば』のお父さんの声を考える時、僕らが最初に思ったのは「普通の役者じゃダメだよね」ということです。今のお父さんの特徴というのはお父さんであってお父さんでない、無責任ということです。何とかお父さんをやっているけど、ちょっとくたびれているかな、ということで方言が欲しくなったんです。それで立花隆さんなんです。僕は「もう1回、糸井重里さんでもいいんじゃないかな」とも言っていたのですが。
『ハウルの動く城』でハウルの声にキムタク(木村拓哉氏)を起用したのですが、みんなにいろいろ言われましたよね。「これでお客さんを呼ぼうとするのか」とか。だいたい言いたくないのですが、その時、僕や宮崎はキムタクってほとんど知らないんですよ。
真相を話すと、要するに「ハウルはどういう男か」ということなんです。僕と宮崎の間で共通に決めていたことがあるんです、「男のいい加減さを持ったやつ」と。そうすると、この声は誰にやってもらったらいいですか?
本当に悩んでいたのですが、そんなある時、木村さんの方から出演のご希望が来たんです。僕は宮さんよりは世の中のことが分かっているので、「確かに人気がある人だよなあ」と思いました。そこで、娘に「キムタクってどういう人なの?」と聞いてみたんです。そうしたら「いい男だよ」と言って、その次に「いろんなこと言うんだけど、真実味がないんだよね」と(笑)。「これはいける!」と思ったんです。
それでとにかく声を出してもらうと、もう宮さん大喜びですよ。あっという間にセリフをこなしていって、宮さんの直しはほとんどなし。だって、男のいい加減さなんて難しいですよ。昔で言うと、森繁久彌さんだったらできたでしょうね。今の役者さんは、みんな真面目じゃないですか。ただ逆に言うと、みんな幅がないんです。「お父さん役をやって」と言ったら、普通のお父さんしかできない。「いい加減なお父さんをやって」と言ってもできないんですよね。
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