白夜の村で農場を営むボーエン一家 ~信仰心厚い老家長モルテンと三人の息子(無神論者の長男ミケル、自らをキリストと思い込む次男ヨハネス、対立する宗派の仕立屋の娘に恋する三男アーナス)そして、家族の皆に愛を注ぐ長男ミケルの身重の妻インガとその娘達~ に起こる試練。誰もが信じられなくなった『奇跡』は、果たして訪れるのだろうか?
1930年代のデンマークを舞台にしています。神学に浸透してしまって半ば放心状態の日々を送っているヨハネスが時折こぼす「言葉」にみんなが動揺しながら暮らしています。
ヨハネスの「言葉」は彼の想像なのか、それともどこからか外の世界の情報が届いているのだろうかと今だったらオカルト風に演出も可能ではないかという感じです。
1955年の製作。何処か中世時代でもあるようにずっと昔の物語のような感じだけれども「1930年代のデンマーク」。ナチスに命を奪われたカイ・ムンク牧師の戯曲「言葉」をもとに白黒映画を完成させたといわれる長編。淡々と運ばれる演劇のような流れの中で、表立って表現しないでファッショを暗にメッセージしているように感じられました。
それを考えなかったら、或いは気がつかなけば評価も出来ない映画かも知れない。映画自体の評価より、映画を見終わった後でも映画のテーマは日常の中で考えていかなければいけないと思えるので、わたしの評価は★★〜★★★。
カール・テホ・ドライエルが監督。 2時間6分 1955年ベネチア映画祭グランプリ。 モノクロ
DVD:カール・Th・ドライヤー コレクション 奇跡 (御言葉) [DVD]
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