マーラー没後100年に、N響が記念コンサートに選んだのは《交響曲第4番》。マーラーの『天上の歌』として、明るく叙情的な交響曲です。いつもの大きな管弦楽でなく、終楽章に一人のソプラノが加わって短い歌を歌います。
うれしい愉しい天上の国
浮世のことは忘れよう
天の国には
地上の騒ぎはとどかない!
どこもかしこも平穏そのもの!
天使のような暮しぶり!
とはいえ、まことに浮きうきわくわく!
歌って踊って
跳んでははねて!
ペーテロさまが見ておわす!
男は愛せよ、女は愛されよ。若者も年寄りもキスをしよう。すべての命を愛そう。と、歌うベートーヴェンの『第九』に通じるようではありませんか。
初演されたのが1901年11月25日。ちょうど昨日が初演から1年目となるので、選曲されただけかもしれませんけど《第九》と併せて聴くのも良いのではないかと発見させられました。終楽章を前提に3つの楽章が前にある。かといって終楽章だけを取り出して聞いても聞き足りなさが残るあたりも、《第九》が合唱の楽章だけでは深みに欠ける音楽になるようなものに思えます。
マーラーがこの《交響曲第4番》を作曲する時にワーグナーの歌劇《タンホイザー》を上演していたこと、《タンホイザー》の作品世界に浸って感じた思いを音符で書いた感想文のようにも、わたしは感じています。
黄金の糸で綾なしているような《交響曲第4番》が、午後6時からのNHK交響楽団定期演奏会で演奏され、NHK-FMで生中継放送されます。明日、日曜日の午後3時からもコンサートは同プログラムで行われます。N響アワーなどのテレビが収録するのは2日目の演奏会です。らじる☆らじるで聴きましょうか http://www3.nhk.or.jp/netradio/player/index.html?fm
- 第1714回N響定期公演 - 「リュッケルトによる5つの歌」 マーラー作曲 「交響曲 第4番 ト長調」 マーラー作曲 (ソプラノ)ダニエレ・ハルプヴァクス
(管弦楽)NHK交響楽団
(指揮)準・メルクル
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